Tポイント、揺らぐ牙城 ドコモ・楽天がCCC猛追 加盟店の相乗り容認、スマホ決済と連携 日経 2019/3/28 6:35

加盟店の争奪戦が激しくなるなか、次の成長の足がかりとなるのが決済サービスとの連携だ。

3月2日、神戸市にある「ノエビアスタジアム神戸」ではグッズの購入に加え、スタジアム外に出店する屋台型の飲食店の決済もキャッシュレスにした。楽天が仕掛けた現金NGのキャッシュレススタジアムだ。

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スタジアムでは電子マネースマホ決済「楽天ペイ」の利用が目立つ。神戸市に住む男性(42)は「QRコード決済に時間はかかるが、ポイントも使える。慣れれば困らない」と話す。

ドコモのスマホ決済「d払い」や電子マネー「iD」では、たまったポイントを支払時に利用できる。政府は今年10月の消費増税に備えた景気対策で、キャッシュレスで決済した場合にポイントで還元する方針で連携はさらに進みそうだ。

Tポイントはスマホ決済と連携していないのが弱点だ。Tポイント運営会社にはソフトバンクとヤフーが出資するが、両社はスマホ決済「PayPay(ペイペイ)」を提供しており、連携の有無が焦点となる。

ポイント事業者は取扱店舗数や会員数を競ってきたが、今ではコンビニエンスストアやネット通販など幅広い流通サービスで利用できる。今後はスマホ決済など多様なサービスとの連携が競争の軸となる。


「リアルとオンラインをつなぐ上で楽天以外の協業先は考えられなかった」。CCCの「Tポイント」陣営だったスポーツ用品店大手アルペンの水野敦之社長は18日の記者会見で、4月から楽天陣営の「楽天スーパーポイント」にくら替えする理由をこう説明した。

 

両社はインターネット通販「楽天市場」のアルペン専用サイトにアクセスした顧客が実店舗で楽天のポイントカードを提示して商品を購入した場合、一定額のポイントを付与するキャンペーンを予定する。ネットで迷って購入に至らなかった顧客が来店した場合にポイント付与で購入を促す。楽天は「他の加盟店でも同様の取り組みで売り上げが伸びた」と話す。

 

共通ポイントは楽天スーパーポイント、Tポイント、NTTドコモの「dポイント」、ローソンなどが採用する「ポンタ」が利用店舗数から「4強」とされている。中でも2003年に業界に先駆けて導入されたTポイントは長く実質トップとして君臨してきた。

 

だが、ここにきてTポイント優位が揺らぎ始めている。転機はファミリーマートの動き。Tポイント陣営の同社は19年秋にもドコモと楽天のポイントも段階的に利用できるようにする。

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各社のポイントが乱立するなか、ポイント事業者と加盟店の力関係に変化が起きており、加盟店優位に変わり始めた。加盟店に他社ポイントサービスとの併用を原則、認めなかったTポイント陣営でのファミマの動きはその象徴といえる。

 

ドコモや楽天は相乗りを容認しているうえ、通信など自社グループのサービスで追加ポイントを付与する場合もあり、発行額を伸ばしている。マクドナルドでは楽天とドコモのポイントを利用でき、すかいらーくも両社のポイント導入を検討中だ。加盟店にとっては複数のポイントを採用した方が集客でき、Tポイントの切り崩しが進む。

 

加盟店の争奪戦が激しくなるなか、次の成長の足がかりとなるのが決済サービスとの連携だ。

3月2日、神戸市にある「ノエビアスタジアム神戸」ではグッズの購入に加え、スタジアム外に出店する屋台型の飲食店の決済もキャッシュレスにした。楽天が仕掛けた現金NGのキャッシュレススタジアムだ。

 

スタジアムでは電子マネースマホ決済「楽天ペイ」の利用が目立つ。神戸市に住む男性(42)は「QRコード決済に時間はかかるが、ポイントも使える。慣れれば困らない」と話す。

 

ドコモのスマホ決済「d払い」や電子マネー「iD」では、たまったポイントを支払時に利用できる。政府は今年10月の消費増税に備えた景気対策で、キャッシュレスで決済した場合にポイントで還元する方針で連携はさらに進みそうだ。

 

Tポイントはスマホ決済と連携していないのが弱点だ。Tポイント運営会社にはソフトバンクとヤフーが出資するが、両社はスマホ決済「PayPay(ペイペイ)」を提供しており、連携の有無が焦点となる。

ポイント事業者は取扱店舗数や会員数を競ってきたが、今ではコンビニエンスストアやネット通販など幅広い流通サービスで利用できる。今後はスマホ決済など多様なサービスとの連携が競争の軸となる。